Classici giapponesi con furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
家へ来てから二十日余りにもなって、身体はかなり大きくなっていたが、成長すればするほどますます悲哀ぶりを増して、一向に値打ちが上っている風にも見えなかったのであった。
ともかくこうして、相手を見て売ったり売らなかったりする犬屋のオヤジの妙に商人らしくもない商売ぶりが、売ってもらえなかった婦人たちをして一層妻の珍妙な持ち物を羨ましがらせる結果になり、妻をしていよいよ得意感を増させることとなったのであったが、さてその時夢にも考えなかったことで、今気が付いてみれば、この犬屋が犬を売らなかった相手のロデス夫人というのもグラナドス夫人というのも、いずれももう五十幾つ六十幾つというお愛想のいい老夫人たちであり、売ってもらえたモリナーレ夫人は権高い無口な二十七、八歳くらいの美夫人、アルベルトオ夫人というのも似たり寄ったり同年配くらいの、豊艶な姿態の持主であった。
すなわちこの犬商の売る売らぬは、決して相手の出かた如何によったのではなく、犬商自身の鑑識に叶った夫人――すなわち老夫人ではなくて、若い美夫人ばかりであったということに考え至れば、その時私の胸にも一種奇異な感じが起ったであろうが、これもまた神ならぬ身のその時どうして私に、そういう考えなぞが浮かび得たものであろう。