Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
、いかに悄然として立場を失ってしまったかは、最早くだくだしく言うだけ愚かなことであったろう。
再び書斎へ戻って、崩おれるように机の前に腰を降ろした途端、玄関に車の横付けになる響きがして何を語らい合っているのであろうか、妻と妻の友達とが、悲哀までも連れて賑やかに外出して行く声が、私の耳朶を打ってきたのであった。消え去って行くその車の音を追いながら、何思うともなく何考えるともなく、凝乎と私は空間の一点を凝視したまま、身動ぎもしなかったが、妻の肉体を手に入れるどころか! 苦心惨憺の結果、やっとここまで漕ぎ付けた妻と私との距離を、たった一言迂潤に口を滑らせたばっかりに、再び一万哩もある向うへ引き離してしまった自分の莫迦さ加減を思うと、つくづく愛想もコソも尽き果ててしまったのであった。
そしてもう頭を掻きむしる元気もなく、ただ茫然と椅子に凭れていたのであったが、しかも颯爽たる今の妻の姿を想うと、生れ変っても私にはできない芸当をキビキビとやって退けるだけに、一層その人恋しい思慕が募って、慟哭したいほど侘しい気持に襲われていたのであった。が、そんな私の気持なぞには頓着なく、妻はもしこのまま悲哀を階下にうっちゃっておいたならば、いつか折りを見て私が殺してしまうとでも恐れたのであろうか? その翌る日からは、悲哀を自分の居間