Classici giapponesi con furigana
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しのふちより
死の淵より
高見 順
Leggi 死の淵より (しのふちより) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.084 caratteri · 38 schermate
庭で(二)
草の一
草の二
草の三
「死の淵より」拾遺
おれ自身を絶えず敵としてきたための
おれの人生のこの充実だったとも思う
充実感が今おれに自己肯定を与える
おれはおれと戦いながらもそのおれとして生きるほかはなかったのだ
すなわちこのおれはおれとして死ぬほかはない
庭の樹木を見よ 松は松
桜は桜であるようにおれはおれなのだ
おれはおれ以外の者として生きられはしなかったのだ
おれなりに生きてきたおれは
樹木に自己嫌悪はないように
おれとしておれなりに死んで行くことに満足する
おれはおれに言おう おまえはおまえとしてしっかりよく生きてきた
安らかにおまえは眼をつぶるがいい
庭で(二)
草の一
天が今日は実に近い 手のとどきそうな近さだ 草もそれを知っている だから謙虚に葉末を垂らしている
草の二
光よ
山へのぼって探しに行けぬ
光よ
草の葉の間にいてはくれぬか
草の三
私はいま前後左右すべて生命にかこまれている 庭はなみなみと生命にみちあふれている 鳥の水あびのように私はいま草上で生命のゆあみをする
「死の淵より」拾遺
「死の淵より」拾遺は、「死の淵より」の下書きノートに書き残された詩篇である。何か意にみたないもの、のちにもっと手を加えたい