Classici giapponesi con furigana
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ひょうこのわかさぎ
氷湖の公魚
佐藤 垢石
Leggi 氷湖の公魚 (ひょうこのわかさぎ) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1447 caratteri · 3 schermate
トルコ人ほど水をよく飲む国民はない。水玉を一献舌端に乗せて、ころがすと、その水はどこの井戸、どこの湖水から汲んだものかをいい当てるほど、水に趣味をもっている。
わが国にも大そう水に趣味をもった人がいた。近江国琵琶湖畔堅田の北村祐庵という医者は、日ごろ茶をたてる時、下僕に命じて湖上から水を汲ませたが、その水の味によって汲み場を指摘したという。文化ごろ煎茶の流行した時代には数奇者が集まって幾つもの椀に煎茶を盛って出し、その水の出所が多摩川か、隅田川か、はた井戸かをいい当てるを誇ったということである。支那にも李徳祐陸羽、蒲元などいう清水飲み分けの名人がいた。
水の味を飲み分けるのは、余程舌の肥えた人でないとむずかしいが、魚の味ならば誰にも大概は分かる。鯛や鯖の産地。鰻や鯉、鮎などの天然の産か養殖ものか、網でとったものか釣ったのか、などということは少し食味に通じた人ならば舌先で分ける。
そこで想い出すのは公魚である。公魚は氷魚と同じにこれから冬に入って季節となるが、東京市民の口に入るものは、多く土浦の霞ヶ浦産である。白銀色に美しいところはあるけれど、泥臭い上に渋味が強く至味というわけにはいかない。