Classici giapponesi con furigana
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あぶらじごく
油地獄
斎藤 緑雨
Leggi 油地獄 (あぶらじごく) di 斎藤 緑雨 (さいとうりょくう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.624 caratteri · 69 schermate
貞之進は、その時冷たい汗が腋下を伝わるとゝもにやゝ安堵し、手紙に書いたまゝの事を、ぽつ/\と句切って繰返すを、そうか/\と庄右衛門は点頭ながら四辺を看廻わし、いや厚い、いや細かい、これも読んだのかと取散らしある大字典の金字に目を留め、これは高価な物であろうと云われたに附込んで、書籍の代に追れますと、貞之進は紙の吸口で火鉢の縁を摩って居たが、三度の食に望みはないことだから、宿を新しく取るよりも、ほんの二三日此家で済めば結句勝手じゃがと、そのまゝ父に泊込まれて気が気でなく、親も大事金も大事しばし夜歩きも出来ずに居る仮の神妙が、真との念いをます/\募らせて、今ごろは小歌はどうして居るか、浜田の御前か黒の羽織か、まさかこの貞之進を忘れもしまいと、例によって寝てからの枕の上にも、疑いと打消しとが旗皷相下らず闘って、明日の天気はと問れた父の詞に、縁結びで御在ますかと答えて、もう夢か寝附の早い男じゃと笑われ、やっと四日間の父の逗留を三五年ほどになやみくらし、これで私が雑用もと出立際にのこし往れた金の、思ったより多額なのに勇気が出て、父を上野まで送った