Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あぶらじごく

油地獄

斎藤 緑雨

Leggi 油地獄 (あぶらじごく) di 斎藤 緑雨 (さいとうりょくう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.624 caratteri · 69 schermate

Aozora Bunko

紙巻烟草の煙ばかりだ。

余興とゝなえて伯円の講談がおわり、小さんの落語が半ばに至った時、春の日は暮懸っての命が長く、水を隔てゝ御蔵橋を駈下りる車にまだ提灯は点いて居なかったが、座敷にははや燭台の花が咲いて、それから里朝の曲弾も首尾よく相済んだ跡は、お定まりの大小芸妓の受持となって、杯酒潮を湧すと昔は大束に言って退たが、まこと逆上返る賑いで、やがて附けてしまおうかと云って芸妓が三絃を執った時から、一層激しい笑い声が聞えた。

貞之進は元来酒を多く呑まない、吸物椀へちょっと口をつけただけでたゞ腕組して居たが、幸い遅参者が加わって、左右とも塞がったので、すこしく心丈夫に思った。右隣りの席へ就いたうすら※のある男は、来る早々促し/\あおりかけて、気斗牛を貫くという勢い、その上膳の物を退治ることもすこぶる神速だ。君一つとその男にさゝれて貞之進は余儀なく受けたが、その男がお酌と呼んだ声の下から、通懸りの薄色縮緬がハイと酌いで呉れるを、貞之進はしきりに顫えてそのまゝ猪口を膳の端に置き、手巾で手を拭いてながめて居たが、それで腹の中はすでに酔った