Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆしまもうで

湯島詣

泉 鏡花

Leggi 湯島詣 (ゆしまもうで) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 62.004 caratteri · 122 schermate

Aozora Bunko

箱の中には紙にも包まず裸の人形が入っている。

ふっと見て少し色を変えて、

「おやおや、おかしいねえ、あてッこすりに寄越したのかしら、私をこんなにしておいて、まだそんなことをする方じゃあない、」とこの時気が付いたのは、自分の人形のことである。

蝶吉は夢のような心持がして、気味悪そうに、灯の暗い、森として、片附いた美しい二階の座敷をしたが、そうだ、小包が神月からというのに顛倒して忘れていた、先刻を思出すと、悚として、ばたりと箱を落して立ち、何を憚るともなく、浮足で、密と寄って、蒲団を上げて見ると何にもない。思切って、白い手を冷い小さな閨の中に差入れると、丹精をして着せておく、筒袖の着物に襦袢、縮緬の書生帯まで引くるめて、円げてあった。蝶吉は、呼吸を詰めて、唾を呑み、座に直って、引寄せて、熟と見て蒼くなった。涙をはらはらと落して、震い着いて、

「坊や、」とばかり、あわれな裸身を抱え上げようとして、その乳のあたりを手に取ると、首が抜けて、手足がばらばら。胴中の丸いものばかり蝶吉の手に残ったので、

「厭!」と声を上げざまに、蛇を掴んだと思って、どんと投げると、空を切って、姿見に映って落ちた。