Classici giapponesi con furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Leggi 湯島詣 (ゆしまもうで) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 62.004 caratteri · 122 schermate
て、粛然として読書する薄髯のあるのを見て、
「何を読んでるんです、」と少しく腰を浮かして、差覗いて聞いた。
「僕、」と応じはしたけれども、急に顔を上げたので誰に返事をするのであるか、自分にも分らないで迂路々々するのを柳沢は気軽に引取って、
「若狭が読んでるのは歴史だよ、国史専修の先生だもの、しばらくの間も研究を怠らない。」
「御勉強です、」といって神月が点首くと、和尚は、にやにやと笑いながら、その読んでる書を横目で見た。柳沢は吹出して、
「真面目な挨拶をする奴があるものか、歴史は歴史だが大変なもんです。無名氏著、岩見武勇伝だから可いじゃあないか。」
「酷く研究をしております、」と哲学者は仰いで飲む。これが聞えたものらしい。若狭は読みながら莞爾とした。
「また何ぞの材料にならないとも限らないだろう。」と梓はその硝子杯を手にした。
柳沢は斜に卓子に凭れて、小刀の柄で紅茶に和した角砂糖を突きながら、
「そりゃある、その材料のあることはちょうど何だ、篠塚が小まさの浄瑠璃の中から哲理を発見するようなもんだ。」
「馬鹿をいえ。」
梓は傍より、
「しかし君も鳥屋の女の言は、時に詩調を帯びると、そういった事があるよ。