Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

かせいのまじゅつし

火星の魔術師

蘭 郁二郎

Leggi 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 151.120 caratteri · 302 schermate

Aozora Bunko

「ご気分でも……」

そういって、心持ちくびをかしげ、細い眉をしかめて立っていたのは、思いがけなかった助手の石井みち子だった。

「なんだ、石井さんがここにいたのか……、今の、所長の話を聞いたかね」

「えっ」

「あ、そうそう、石井さんも行く方だったね」

「はあ――、でも私なんかに勤まりますかしら」

「大丈夫だよ、あんたならきっとしっかりやってくれる……、あんたに行かれるのは残念だけれど、しかしまあそんなことはいってられないからね」

「……でも、木曾さんはいらっしゃいませんのね、どうしたんでしょう」

「いやあ僕なんか……、留守軍だよ、僕の分もしっかりやって来て下さい、いや、やって来て下さいじゃない、やって下さい、だ。一寸出張のようなつもりでは困る、業績のためには骨を埋めるつもりで行って貰いたいっていってたからね、所長が―、はっは」

木曾ははじめて、しかし空ろな声で笑って見せた。

二

「でも、ボルネオとはまさか私――。どうしてボルネオなんかにこの研究所のほとんど半分も移してしまうんでしょうかしら」

石井みち子は、実験室用の白衣を着ると、すんなりと伸びた脚を揃えたまま、椅子に腰をおろしていた。