Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Leggi 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 151.120 caratteri · 302 schermate
巨大な実をもった柿や栗の化物のそばから、とにかくはなれるつもりだった――が、それから二三十間も行ったであろうか、道の両側が畠のように展けているところまで来て、またまた愕かされてしまったのだ。
これは確かに畠であろう、しかし糸瓜のように巨大な胡瓜、雪達磨のような化物の西瓜や南瓜、さては今にも破裂しそうな風船玉を思わせる茄子――そういった、とにかく常識を一と廻りも二た廻りも越えたような巨大な作物ばかりが、累々として二人の眼を脅かすのである。
世にも奇怪な眺めであった。
これが茄子なら茄子、柿なら柿と、ただ一つのものだけならば、それがいかに桁はずれの大きさであってもこうまでは愕かされはしなかった筈だ。寧ろ九州地方の茄子のように、あの白瓜ほどもある大きさを、面白く思ったに違いないのだ。
だがこうして、あらゆるものが化物のように巨大に発育している姿を、まざまざと見せつけられるとなると、地球全体が二人だけを残して、いつの間にか膨れあがってしまったような、取りとめのない不安に襲われて来るのである。
いまにも象のような犬が飛出して来るのではないか、背後から大蛇のような蚯蚓の奴が我々の隙をねらっているのではないか――そんな狂気染た気持にさえなって来る。