Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぶらいはうたず

無頼は討たず

山本 周五郎

Leggi 無頼は討たず (ぶらいはうたず) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.446 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

三

「半太郎さんは私の父を憎んでいらっしゃるんです、私の父が貴方のお父さんを」

「お待ちなさい」

「いえ云います、私の父があんな事をしたという噂、私はそれを聞いて死ぬほど吃驚いたしました。私は本当に父に代って自害をしてお詑びをしようと思ったんです――でも、死ねなかった、死ねませんでしたわ……幼い頃から心のうちにしみこんでいた貴方の俤、それが眼にちらついて死ねなかったのです」

「――お信さん」

「貴方のお口からお信……と、一度でも呼んで頂くまでは、私どんな辛いことも辛棒して待ちます、五年でも、十年でも――貴方がこうしろと云えばどんな事でもしてみせます、ねえ……半さん」

「諦めて下さい、私にはこれだけしか云えません、左様なら」

「待って」

「人眼についてはお互いの迷惑、これで御免を蒙ります」

「――半さん」

半太郎は荷を揺りあげると、面を外向けて急ぎ足に去って行った。

三

「おっ母さん肩でも揉みましょうか」

「なに、いいよ、おまえ昼の稼ぎで疲れているんだから、まあちょっとお休みな」

「疲れるほど稼ぎもしません、ちょっと捉まるだけでも捉まりましょう」

「そうかえ、済まないねえ」

晩飯の片付いたあと、貧しい燈の前に母と子の二人っきり、半太郎は母の背へ廻ってそっと肩を撫ではじめた。