Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
」家臣はとうてい尋ねるようもないというのであった。生絹の顔はあおざめ、心は沈み、「をかしき物ならべ商ひせる」ことを思いでて、ひとりでにあおい顔をそめて赭らむほどであった。そんなことはあるまじ、物売るまでになる人ではない、生絹は恥ずかしさで身をちぢめるような思いだった。
「津の国に行きて見んにあるひはその人に逢はむも計りがたし、人づてのみにて心もとなし。」笛吹く人はそういい、打沈んでいる生絹をせき立てた。生絹はその心をどういって喜んでいいか分らなかった。
「わたくし参ってよく尋ねて見ましょう。お許しがございますなら。」
「行って心置きなく尋ねるがいい、路銀の用意も充分にせよ。」
生絹は越えて六日に旅立って行った。津の国難波の里は夏がすぎもう秋風が白い砂地のうえをひいやりと過ぎて行った。町はずれの住んだ家に来て見れば母屋づくりの立派な一棟のなかから、笙吹く音いろがきこえ、訪うことすらできなかった。近くの家々の人も、網代車の前簾の中の生絹の顔を見ることがなかった。
「菟原ノ薄男といえる人はいつごろ此処から去ったのでしょうか。」
「菟原ノ薄男は女の人の立ったあと直ぐに行方知れずになりましたよ。