Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
」
笛吹くあるじは、笛の艶をみがいている生絹の白い頸に眼をとめ、気品ゆたかな女を見入った。実際、生絹はもはや難波の里べで見た女とは変って、おもだち清く品は眉宇にあふれて青菜をあらうむかしの生絹の姿ではなかった。
「三とせ経てば逢うえにしを信じているのでございます。」
「使して尋ねみたらば、その人のゆくえが分ろう。」
笛吹く人はそんなことでねたみをかける人ではなく、何度も生絹に右馬の頭のゆくえをたずねるようにいうのであった。しかし生絹はそれをそうすることは気兼ねして出来ず、ただこう答えするばかりであった。
「そのうちきっと便りがございましょうほどに、お気にかけくださいますな。」
秋は何度もすぎた。津の国から便りはなく、会う人ごとに尋ねても右馬の頭らしい人を見かけたこともないといい、たずねる術もなかった。笛吹く人は家臣を難波に送ってたずねさせたが、これも空しくもどって来ていった。「さういふ人を聞かず亦見ざるとのみ、たづねんやうなし。或る下種の物売りの話にては一年あまり下役につきしよく似し人ありしが、首尾わるく辞してよりゆくへ知るべくもなしとのことなり。また或る人のいへらく右馬の頭らしき人の道のべに立ち、をかしき物ならべ商ひをしつるを見受けしが、夏去るころ見えずなりけるとのみなり。