Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
それも、男ゆえに我慢しているのか、経之はうずくような美しさを踏みにじりたかった。
「そしてそちは、ゆうべ、あれから再び庭をわたって行ったのだ。」
「いいえ。」
はぎ野はかぶりをふって見せたが、短い間の慌てた色は、顔のなかにばらばらに現われた。
「そして一刻の後に立ち戻ったのを見た。」
「いいえ、額の傷のいたみで臥すことすら出来ませなんだ、何処にも、まいりはいたしませぬ。」
「井のほとりに干してある衣裳の裾には、引き泥のあるのはいかが致した。」
はぎ野は、そこまで見られたことは、知らなかった。経之はたたみかけて言った。
「そちの顔色蒼白は何のためか。」
はぎ野は思いがけなく、顔を赧らめた。いくら経之でも、ゆうべの男との仕儀がまさか面にあらわれていはすまいに、それを見破ることはないと思った。
「傷のいたみとしか思われませぬ。」
「教えてやろう、はぎ野、男と寝た女の顔の翌朝の気色は、すぐ分り申すのだ、よごれて疲れているのだ。そちの顔にあられもない有様がただようている。」
はぎ野はこの言葉をうけとるほど、それほどの男との数々を知っているわけではなかった。だが、充分に抉り立てられたものは、彼女のかゆい乳房のうえに覚えあるものをよみがえらせた。