Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
、同じ夜半にふたたび庭わたりをしているではないか、凝然として経之は呆れ返ったなかに、女のつよさ、一念の剛直さに眼をはなさないでいた。はぎ野の姿は北のやかたの方に消え失せた。
かくまでに女のおもいは猛々しいものであったか、何者にも恐れず、また、何者にも懲りようとしない女の心の烈しさ、これは結局、女のまことがこうまで女を走らせているのだ、そこにはうそも、見栄もあろうはずがない、経之はふたたび庭に下りてはぎ野を趁うことのおろかさを感じた。こと、ここまでに至っては何ごとを説こうとしても、説く者に恥があるのだと経之は唖然とするだけだった。
翌朝、経之はあたりに人眼がなかったので、はぎ野を呼び止めた。
「額の傷は?」
「ごぞんじにあらせられますのに。」
つめたい眼ざしには、経之も、たじろいだ。しかも、突きすすんで経之のために受けた傷であることを明らさまに言わないところに、さすがに女らしいものがあり、それの分らない経之ではなかった。
「では何故に咎め立てをしないのだ。」
「ほんのかすり傷でございますゆえ、お咎めしても、せんなきように思いまする。」
はぎ野はわらって見せた。