Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
「お身が逢ってくれなければ一晩じゅう、お身の屋敷のまわりをうろ付く。」
「あなた様はそのようなことをなされて、恥かしいとはお思いになりませぬか。」
花桐は一切を放棄した持彦が、きっと、夜じゅう、彼女の名を呼びつづけることに疑いをもたなかった。
「眼中に何物も見えてはいないのだ、見えるものはお身のきらきら光っている瞳があるだけだ。」
「このような瞳がいったい何になるのでしょうか。」
「お身はお身のひとみを見たことがあるまい、お身の瞳を見つづけて来た人間には、しばらくでも、その瞳からはなれていることが出来ないのだ。お身の瞳はもうわたくしの眼の中にはいっている。」
さすがの花桐も、またも持彦の言葉のなかにしだれ込まれなければならない、是非もないものが感じられた。どうにでも、こういう境をさばく聡明があったら、それに裁いてもらいたかったが、彼女にはそういう聡明らしいものすら、遠くに去っていることを知っただけであった。
「持彦さま、どうぞご存分にあそばせ、わたくしはあなた様の前では、心をまもることも拒まれているとしか思われませぬ。」
「どんなにあがいても我々は二人の間からいずれも退けることが出来ないようになっているのだ。