Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おぎふくうた

犀星王朝小品集

室生 犀星

Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate

Aozora Bunko

ことだからといった。

「何としても諾きいれてもらえぬか。」

「もう袴野の帰る時刻じゃ。」

すては肩からながれる長いからだで、すらりと立ち上った。

貝ノ馬介はもうどうにも自制の利かない、先々の考えを打棄る時にかかっていた。彼はすての肩を上から圧して、坐れといった。すては素直にぺたんと坐った。くずれる肉体はさすがに坐ったままであった。すては貝からのがれる事はおろか、貝のままになるより外はなかった。逃げても逃げ切れないし、挑んでも抗いきれるものではない、ただひとつの事はうまくだまして貝をそのまま帰すことだけが、一さいが無事にすむことになるのだ。しかしすては身をまかせることがいやであった。ふしぎに考えたこともないほど他の男に身をまかせることが、いやでいやで仕様がなかった。知らんふりをしていればいいじゃないかと、たかを括ってみるが、やはりいやなことはいやであった。袴野は勿論野伏にも合す顔がない、なんだか合す顔がないということが、合されない顔になると考えこむと、凜乎として来た。しかし貝は両肩を羽掻責めにして、かかった。

「すてどの、眼をつぶって許してくれ。」

「なりませぬ。