Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
見る人は生きているわけではない、また、実際に見られているわけでもない、しかし、それをそうしなければいられないところに、彼女の息つくやさしさがあった。きっと見ていただけるし、きっと、見てもらえるようにするという祷めいた心は、すこしも怠けることなく衣裳をとりかえさせたのであった。この心をつきつめたところにあらゆる彼女の用意ある、和歌のようなただよいがあったのだ。
「わたくしは百日の間に着たような機会が、ふたたびわたくしの衣裳の上にあろうとは思われません。」
「ご免あそばせ、わたくしがあなた様の御本心に辿りつくまでには三日も四日も考えつづけて、やっとあなた様がお方様のためにそのようにご衣裳をお取りかえになることを知ったのでございます。そして自分でもほっと致したほどでございます。」
「それは羞かしいこと、二度と口にすべきことではないかも知れませぬ。」
彼女は誰も知らない夜歩きが、こういう遠くの一つ家から見まもられていることに、羞かみと不思議さとを感じた。
「それから今ひとつ申し上げたいことがございます。」
「それはいかなる事。」
彼女は面を立てなおした。
「一昨年の秋あたりから都から立派なお方様が夕方車を召してお通いになっていたことがございました。