Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おぎふくうた

犀星王朝小品集

室生 犀星

Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate

Aozora Bunko

」

彼女はからだじゅうが冷たくなるほど驚きに圧せられた。

「あのお方様はあなた様の何にあたらせられます。」

「夫にございます。」

「これは恐れ多いことを申し上げました。したが、去年十一月ころからはたりとお姿を見ないようになりましたが、ひそかに、もしやと不吉な考えをわたくしめが持っていたのでございます。」

「十一月の二十三日にご他界になられました。」

彼女は眼をしばたたいた。此処にいて紀介を見ていた人があったのかと、一つ家のともしびにえにしのなかったとは、いえなかった。

「わたくしめも、それからあとのあなた様の夜歩きも、百日のおん供養だというふうに拝していました。」

「その願明けも近いうちに廻ってまいります。」

「えにしというものの深さと手近いことは、まったく眼にとまらぬほどにございます。都からのお方様は二度ばかりおたずねがございました。」

「まあ、それは。」

彼女は益々驚きに惹き入れられ、手につめたい汗を感じた。

「一度はあなた様のお館の位置をおたずねになり立ち寄られ、わがつまに当たるものであるがとの仰せにございました。」

「あとの一度は?」

「あとにお尋ねあったときは出水や近火のあった折、そちの屋敷にとどめてくれるようにと、ねもごろなお托みでございました。