Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
」
彼等は斯様にして別れた。
淀の川尻で舟に乗った生絹は、右に生駒の山、男山を見、左に天王山をのぞんだ。男山の麓、橋本のあたりで舟は桂川に入って行った。前の方に逢坂、比叡、左に愛宕や鞍馬をのぞんだ生絹は、何年か前にいた京の美しい景色を胸によみがえらせた。
舟は川波にゆられ、客はみな西の京の人らしくこの頃京には笛吹くことがはやること、歌の道のこと、商いの品々も高くなったことなどが話し出された。
「いずれに越されるや。」
同舟の人は故あるような生絹の愁い顔を見て、みやこに上る人ときめていった。
「物尋ねにまいります。」
と、だけ詳しいことはいわなかった。その男は生絹の顔を占い見てから、
「御手を、……」
と、ひろげた手のひらを眺めてつくづくいうのであった。「みやこにはあなたを待つ人がおられます。あなたの雅びたる才がその人を高きに従かせる。」
「それはどういう意味でございましょうか。わたくしは人を尋ぬるのでございませんけれど、……」
「宮仕なされるのぞみはもう見えております。」
不思議な占いする男はそういい当て、生絹の心を騒がせた。生絹はべつに答えはしなかった。