Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
少年の心持で、初めて病院の暮しどんなでしょう。あしたはそのグラフと『ジャングル・ブック』をもって行ってやります。たべるものは分らないから果物(オレンジ)を少々だけにして。
このうちにたった一人、私たち二人きりの感じ面白く思います。二人っきりという特別の感じは、やっぱりほかのひとがいるとない感じね。こんなことを話している声の調子も何となく低まって、わきにいるひとにだけきこえればいい、そのひとにだけきこえる声でものを云っているといういい心持。これも親密な面白い感情。私は意味のない、それでいて深い深い心のある鳩のような声でクウーと云って見たい心持です。クウーと喉をならしながら鳩は膝から胸へ、胸から顔へ、クウーとよってゆくでしょう。それをうつひとはないわ、ねえ。
泉子の様子をお目にかけたいこと。少女から若い娘になって、紅梅のような風情でしょうと思うのですけれど。決してわすれずたよりよこします。ふーっとせき上げて来る心持があって、覚えずたよりよこすと云った風です。つつましやかで、しかも充実した横溢性をもって溌剌としているところ、いかにも女です。そして、あなたも御存じの、いづみ子のごく仲のよかった子、その子への心持も段々成熟して来ているのは本当に面白いところです。