Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
河村の主人、袴を膝の下に敷きこんで坐ってだまってのんでたべて、おかみさんがスーとすましてわきからその袴をちょいとひっぱると、あわてて膝の下から大切の袴をひき出して坐り直すという好風景です。お母さんというひとの武骨な指にダイアモンドが輝いています。お盃を女中がとりもってあっちこっちへ儀礼的にうけわたしするだけ。ちっとも話をしないの。互の親族は。これは大変奇妙でした。その間にお嫁さんは立って黒の裾模様を訪問着にかえ、すこし坐っていて又立って、こんどは友禅のものにかえ、又すこし立って別の着物にかえ、そしてこちらの親族の一人一人に「不束な者でございますが何卒よろしく」と挨拶してはお盃を出します。お酌をするの。(私はこれを達ちゃんの出征のときやったのよ)
お嫁さんは本当に達ちゃんには立派すぎる位です。田舎者などと云うけれど(島田では大変町方と思っているのです、自分の方を!)それどころか悧溌そうなふっくりと初々しい可愛いはっきりした娘さんです。十時すぎ一つの車にお母さんと若夫婦、かみゆい、次の車の私、河村夫妻、富ちゃんとのってかえりました。近所の人が見物に出ている。