Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate

Aozora Bunko

その点について、あれを活字でよみかえしたとき、私は大変真面目にいろいろと考えたのです、「乳房」との対比で。そして、その相異にあらわれているものから、主観的に自分の病気をはっきり感じたし、客観的に時代を感じたわけでした。そして、あれがそれらの点で底をついている作品であること、一度は通過しなければならなかったけれど、二度とくりかえせないものだということを明瞭に知ったわけです。

そういうことについてなど、弱点を、私はきっと誰より深く理解していると思います。そういう意味でなかなか意味ふかい作品でした。一生に一つしか書かないような、ね。

しかしながら、あすこにある情感が偽りや拵えものでないことは、それが読まれたのちのニュアンスでわかることでもあります。小説って面白いわね、本当にいいわね。こわい程興味がありますね。小説を書いてゆく、腕でかくのでなくて、自分の肉身からかいてゆくと、そこに何と面白く、複雑な錯綜も顕出して来ることでしょう。胸を抑え覚えず片膝ついた姿がそこに現れているにしろ、やはり其は親身なものです。

勿論大丈夫よ。もしそういう状態にいつもいたとしたらそれは既に一つの心の病気ですから。