Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
夜着の襟は汚れていた。旅のゆるやかな悲哀がスウイトな涙を誘った。かれはいつかかすかに鼾をたてていた。
翌日は学校の予算表の筆記を頼まれて、役場で一日を暮らした。それがすんでから、父母に手紙を書いて出した。
夕暮れに校長の家から使いがある。
校長の家は遠くはなかった。麦の青い畑のところどころに黄いろい菜の花の一畦が交った。茅葺屋根の一軒立ちではあるが、つくりはすべて百姓家の構えで、広い入り口、六畳と八畳と続いた室の前に小さな庭があるばかりで、細君のだらしのない姿も、子供の泣き顔も、茶の間の長火鉢も畳の汚れて破れたのも、表から来る人の眼にみなうつった。校長の室には学校管理法や心理学や教育時論の赤い表紙などが見えた。
「君にはほんとうに気の毒でした。実はまだ手筈だけで、表向きにしなかったものだからねえ……」
と言って、細君の運んで来た茶を一杯ついで出して、「君もご存じかもしれないが、平田というあの年の老った教員、あれがもう老朽でしかたがないから、転校か免職かさせようと言っていたところに、ちょうど加藤さんからそういう話があるッて岸野君が言うもんだから、それでお頼みしようッていうことにしたのでした。