Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
帰途についたのはもう四時を過ぎておった。
古い汚ない廂の低い弥勒ともいくらも違わぬような町並みの前には、羽生通いの乗合馬車が夕日を帯びて今着いたばかりの客をおろしていた。ラムネを並べた汚ない休み茶屋の隣には馬具や鋤などを売る古い大きな家があった。野に出ると赤蜻蛉が群れをなして飛んでいた。
利根川の土手はここからもうすぐである。二三町ぐらいしか離れていない。清三はふとあることを思いついて、細い道を右に折れて、土手のほうに向かった。明日は日曜である。行田に行く用事がないでもないが、行かなくってはならないというほどのこともない。老訓導にも校長にも今日と明日は留守になるということを言っておいた。懐には昨日おりたばかりの半月の月給がはいっている。いい機会だ! と思った心は、ある新しい希望に向かってそぞろにふるえた。
土手にのぼると、利根川は美しく夕日にはえていた。その心がある希望のために動いているためであろう。なんだかその波の閃めきも色の調子も空気のこい影もすべて自分のおどりがちな心としっくり相合っているように感じられた。なかばはらんだ帆が夕日を受けてゆるやかにゆるやかに下って行くと、ようようとした大河の趣をなした川の上には初秋でなければ見られぬような白い大きな雲が浮かんで、川向こうの人家や白壁の土蔵や森や土手が