Classici giapponesi con furigana
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ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
Leggi 百足ちがい (ひゃくあしちがい) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.491 caratteri · 56 schermate
「せくこたあねえだよ、せくこたあ、……どたばたしたってよ、春が来ねえばさ、花あ咲かねえちゅうこんだ、おちつくだよ」
それから哲学を述べた。
「世の中あすべて参だてば」
肱枕をしてこう云うのである。
「――天地人で参よ、火と水と空気、この参が集まって出来たが参千世界だあ、飯を食うにゃあ膳と茶碗と箸、天にゃあ日と月と星だべさ、人間は冠婚葬、男と女が夫婦になって子がひり出るだあ、作る者がいて売る者がいて買う者がいる、顔にゃあ眼と鼻と口と、……耳はこれあ別だてば、耳なんぞは、こんなものあへえ有るから有るようなもんの、まあそれあ、有れば有るでまあいいけれども、……まあそういったわけのもんだ」
人生すべて「参」という説、これを又四郎は気の出るほど教えこまれた。
「この世にゃあへえ、男が本気になって怒るようなこたあ、から一つもねえだよ、怒ると腎の臓が草臥れるだ、いちど怒ると時間にして一刻が命を減らすだあ、おらが証人、怒りっぽい人間はみんな早死だてば」
合の手に土瓶の口から冷酒を飲む。もちろん横になったままで、それからげっぷをして、肱枕の腕を替えて、ということは寝返りをうつわけで、こんどは又四郎のほうへ巨大な背中を向けて、欠伸をして続ける。