Classici giapponesi con furigana
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がらすどのうち
硝子戸の中
Leggi 硝子戸の中 (がらすどのうち) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.702 caratteri · 105 schermate
二十二
もっとも私の家も侍分ではなかった。派出な付合をしなければならない名主という町人であった。私の知っている父は、禿頭の爺さんであったが、若い時分には、一中節を習ったり、馴染の女に縮緬の積夜具をしてやったりしたのだそうである。青山に田地があって、そこから上って来る米だけでも、家のものが食うには不足がなかったとか聞いた。現に今生き残っている三番目の兄などは、その米を舂く音を始終聞いたと云っている。私の記憶によると、町内のものがみんなして私の家を呼んで、玄関玄関と称えていた。その時分の私には、どういう意味か解らなかったが、今考えると、式台のついた厳めしい玄関付の家は、町内にたった一軒しかなかったからだろうと思う。その式台を上った所に、突棒や、袖搦や刺股や、また古ぼけた馬上提灯などが、並んで懸けてあった昔なら、私でもまだ覚えている。
二十二
この二三年来私はたいてい年に一度くらいの割で病気をする。そうして床についてから床を上げるまでに、ほぼ一月の日数を潰してしまう。
私の病気と云えば、いつもきまった胃の故障なので、いざとなると、絶食療法よりほかに手の着けようがなくなる。