Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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がらすどのうち

硝子戸の中

夏目 漱石

Leggi 硝子戸の中 (がらすどのうち) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.702 caratteri · 105 schermate

Aozora Bunko

十七

「なるほどそう云えば誰が袖なんて看板が通りから見えるようだね」

「ええたくさんできましたよ。もっとも変るはずですね、考えて見ると。もうやがて三十年にもなろうと云うんですから。旦那も御承知の通り、あの時分は芸者屋ったら、寺内にたった一軒しきゃ無かったもんでさあ。東家ってね。ちょうどそら高田の旦那の真向でしたろう、東家の御神灯のぶら下がっていたのは」

十七

私はその東家をよく覚えていた。従兄の宅のつい向なので、両方のものが出入りのたびに、顔を合わせさえすれば挨拶をし合うぐらいの間柄であったから。

その頃従兄の家には、私の二番目の兄がごろごろしていた。この兄は大の放蕩もので、よく宅の懸物や刀剣類を盗み出しては、それを二束三文に売り飛ばすという悪い癖があった。彼が何で従兄の家に転がり込んでいたのか、その時の私には解らなかったけれども、今考えると、あるいはそうした乱暴を働らいた結果、しばらく家を追い出されていたかも知れないと思う。その兄のほかに、まだ庄さんという、これも私の母方の従兄に当る男が、そこいらにぶらぶらしていた。

こういう連中がいつでも一つ所に落ち合っては、寝そべったり、縁側へ腰をかけたりして、勝手な出放題を並べていると、時々向うの芸者屋の竹格子の窓から、「今日は」