Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Leggi 私本太平記 (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.638 caratteri · 233 schermate
北国に、義貞。
東国には、宗良親王。
また、九州には菊池の党。
そして伊勢に、北畠親房、河内和泉には、四条隆資と、それぞれの地に、それぞれな宮方の驍将がたたかっている。あるいは、四隣の兵を糾合して、次の地盤をつくりつつある。――だのに、なぜあの純情無垢な若き将軍顕家のみが駈けつけて来ないのか。
さきにも、江戸忠重を密使として派せられていたが、さらに命をおびた吉野勅使は、この月、みちのくへ急いで行った。
北畠顕家は、この一月ごろ、多賀ノ鎮守府から伊達郡の霊山へ移っていた。国府も守りきれなくなったのだ。
みちのくの天地も、中央の余波から兵革のやむときはなかった。四方に蜂起する兇徒のなかにあって、顕家は、
「ああ都へ。君と父とのいる都の危急へ。何とかして」
と、心はあせっていたが、いかにせん、ここを立つことができない周囲の実状だった。
さきに、吉野朝廷からの、ご催促に接したとき、彼は密使の江戸忠重に託して、大意、こういう御返書をさしあげてある――
勅書、ならびに貴札、謹んで拝見いたしました。吉野へ臨幸のよし、社稷の大慶、顕家もほっといたしたことでございます。