Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Leggi 私本太平記 (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.638 caratteri · 233 schermate

Aozora Bunko

よくよく、酷い世の仕組みがお身に沁みたものとみえる。

また、それいぜんに、後村上天皇は、賀名生の行宮を、河内の金剛寺へ遷されていた。尊氏へたいして、一歩前進を見せ、親房は亡くも、決して素志を喪う南朝でないことを、つよく示されたものといえる。

しかし、滔々と、諸国の武家は独自な力を養って肥え出していたが、南朝の勢力は、一こう不振をたどっていた。ただこの間にも、ひとり昔ながらの宮方としていよいよ強大になっていたのは九州の菊池一党だけだった。

尊氏にも、九州は数年らいのなやみであり、わけて昨今では、

「なんとかせねば」

と、焦躁のたねとしている課題であった。

「もいちど、わしは二十二年前の若さに返って、筑紫の地を踏み、みずから菊池征伐にあたらねばなるまい。九州さえ平定し得ればまずは天下も一おう定まる。――そのうえで、義詮に将軍職をゆずり、大名どもをして、二代将軍へのかわりなき忠誠を誓わせよう。――それを見るまでは」

と、彼はこの正月、正平十三年の年頭に、しみじみ言った。

妻の登子にむかって洩らしたことばであった。

正月四日。

天龍寺が焼けた。

尊氏はただちに再建を命じ、二月には早や奉行を任命したりしていたが、こえて三月に入ると、建武三年いらい二十二年の間、筑紫の探題として留めておいた一色直氏が、菊池武光に追われ、