Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Leggi 私本太平記 (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.638 caratteri · 233 schermate
問「ほ、これは意外な御賞揚ではある」
答「いや賞めはしません。ただ宇宙は人間それぞれの性をよく公平に“時の役割”に使っていると言いたいのです。彼が道楽に創めた立花(生け花)、闘茶(茶道)なども、やがて観世清次どのの舞能のごとく、案外、ゆくすえ世の文化に大きな開花を見せるやも知れません。なべて人に役立つものは亡びない。けれどどんな英傑の夢も武力の業はあとかたもなくなる。ですから、もののふとは、あわれなのです。とくに尊氏さまの御一生などは、無残極まるものでしかない」
問「が、お名は千載に残る」
答「いや、それも覇力の名ですから時の移ろい次第です。ひとたび足利氏が衰えれば、逆賊、佞将、涙なき権謀の人物と、あらゆる悪名や人の唾を浴びるときがないとも限りませぬ。……ですがわが仁山大居士はもう御観念でしょう。何事も大悟して、世の流れのままにどんな毀誉褒貶もあの薄らあばたを幻として地下に笑っておいであるに相違ございませぬ」
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以上、桐蔭軒無言録の問答記事はここで終っており、項をべつにして、次にはつづいて行われた仁山大居士琵琶法要のもようと、観世清次の手向け能があったこととが記されている。