Classici giapponesi con furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Leggi 童話集 春 (はしがき) di 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.531 caratteri · 97 schermate
與太郎という名が顔に出ているから人が馬鹿にするのだろうか。與太郎は、菓子屋の飾窓のガラスに自分の顔をうつして見ました。自分の着ている服は、すこしばかり古くなっているだけで、街を歩くほかの子供たちと、別にかわった所はありませんでした。與太郎は、ふと飾窓のなかに赤い紅茸のようなお菓子があるのに気がつきました。
「紅茸だ! 紅茸だ! あれをとろうよ」
與太郎がそういっているのを、菓子屋の番頭が聞きつけて、與太郎の頭を一つなぐりつけました。與太郎とお才は、なきながら家の方へ歩きました。質屋の横町を曲ろうとすると、いきなり真黒いものにぶつかって、與太郎は泥溝のわきへはね飛ばされました。起きあがって見ると、それは名づけ親の坊さんでありました。
「坊さま、ぼくは飴のなかから生れたんですか」
與太郎がきいたけれど、坊さんはもう横町を曲って、電車道の方へいってしまいました。
「おまえは、たどんのなかから生れたのよ」
どこからか、そういう声がしました。それは質屋の小僧が、窓からいったのですけれど、與太郎は気がつきませんでしたから、やはり坊さんが、いったのだろうと思いました。