Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はしがき

童話集 春

竹久 夢二

Leggi 童話集 春 (はしがき) di 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.531 caratteri · 97 schermate

Aozora Bunko

猟人「兎を知りませんか」

少年「知っていますよ、おじさん」

この対話の間に、少女は兎をほどよき叢にかくす。

猟人「たしかこの辺へ逃込んだがなあ」(独語をしながら四辺を見廻す)

少年(猟人の注意を自分の方へ向けるようにあせりながら)「おじさん兎の毛は白いんでしょう」

猟人「ああ、その白兎、白兎」

少年「耳が長いでしょう、おじさん」

猟人「そうそう耳が長いね」

猟人、銃を杖にして話し出す。

少年「ね、おじさん、兎の尻尾は短いでしょう」

猟人「短いとも、これんばかりさ」

少年「それから、前脚が短くて、後脚が長いでしょう」

猟人「短くって、長くって」猟人は、自分が何をしているかを思出して、「坊ちゃん、ぼくはその兎を探しているのだよ」

少年「おじさん、その兎はやっぱり赤い眼を持っているでしょう」

猟人「ぼくは、坊ちゃんの博物の復習をしているんじゃないよ。一体その兎は……」

少年「白兎ですね。おじさん」

猟人「白兎ですよ。何遍それを言えば好いんだ。そんなこと言っているうちに、気の利いた兎は、穴の中へもぐって昼寝をするだろう」独語のように「この子は、よっぽど呑込のわるい子だな」

少年「なあんだ、おじさんは、その白兎を撃ちにきたの」