Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ききがきしょう

聞書抄

谷崎 潤一郎

Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate

Aozora Bunko

大膳はその様子を見て、不覚なる者共哉、誠の志があるなら、命を長らえて後世を弔うてくれたらよいのに、左様な早まったことをされては、冥途の障りとなるばかりである、某とても助けてさえ戴けるなら、只今にも出家して主君の菩提を弔うであろうものを、お赦しのないのが残念であると、そう云って涙に咽んだので、それでは是非に及びませぬ、仰せの通り私共は出家いたして主の御房の御弟子になり、お後をねんごろに勤めましょう、お心安く思し召して御最期の御用意をなさりませと、郎党共も今は力なくあきらめてしまった。大膳は斜めならず喜び、行水をして佛前に香を焚き、客殿の畳を裏返しに重ねた上で水盃を酌み、脇差を取って西に向うと、立ちながら腹を十文字に切った。松田は主の御房に、百箇日迄の法要を営んでくれるように頼んで帰ったが、大膳は小身者であったけれども、その主従の情誼と云い、最後の有様の立派さと云い、感心せぬ者はなかったと云う。

白井備後と粟野杢助は鞍馬の奥の方へ立ち退き、ひそかに上意を待っていたところへ、徳善院の方から小池清左衛門と云う者を使に寄越した。関白殿の御事、北の政所より仰せられ、御命ばかりはお助け申し上げようと様々にお骨を折られましたが、如何にしてもお赦しが出ず、検使のために福島左衛門大夫、福原右馬助、池田伊豫守の三人をお遣わしに