Classici giapponesi con furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate
なりました、急ぎ最期の御用意をなされい、思し召し置く事も候わば、此の者に仰せ聞けられ候え、後々の御孝養は懇に沙汰を致すでござろう、と云う口上である。両人は清左衛門に対面し、法印殿のお心づけ、過分に存じます、つきましては、迚ものことにお願いがあるのでござりますが、常日頃から頼んでおりまする上人の方へ連れて行って下さる訳には参りますまいか、御辺の御一存を以て左様に計ろうて戴けましたら、此の上もない仕合わせでござりますがと云うと、清左衛門は快く承諾し、いと易いことでござります、何事に依らず聴き届けて上げるように、法印から申し付かっておりますと云って、両人を古い釣輿に乗せて運び出したが、白井は大雲院のお寺で、杢助は粟田口の鳥居小路と云う者の家で、同じ時刻に腹を切った。
挿絵
白井の女房は、十二歳の時に備後守に見え初めてから片時も離れず連れ添うていたが、今度の事件が起ってから夫に別れて北山辺に忍んでいたところ、備後守が腹を切ったのを聞いて、二歳になる姫を乳人に抱かせ、大雲院の貞安上人の許を訪ねて来た。これは備後守が妻や子でござります、頼む方ない身の上となりましたから、夫を慕うて参ろうと存じますが、跡の弔いを何分お願い申しますと云うので、上人は思案をし、兎も角も奥へ請じ入れて、徳善院へその旨を知らせ、指図を仰いだ。