Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ききがきしょう

聞書抄

谷崎 潤一郎

Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate

Aozora Bunko

のは、もとは篠崎掃部助どのと申して何事にも人にすぐれていらしって、楠殿も大切に思し召し、御一族のうちでも取り分け頼みになすっていらしったのですが、その御子息の六郎左衛門どのと云うお方の代に、楠どのが京方へ降参なすったのをお恨みになって遁世なされたぎり、何処へおいでになったのやら今におん行くえも分りませぬ、当時は北国にいらっしゃるとも聞きますし、御他界なされたとも云いますけれども、これと申すたしかな便りがあった訳ではないのです、と、そう云って涙をながしますので、私も涙をおさえながら、そしておん身は身内の人ですか、それとも御領分の人ですかと云いますと、此の尉は年頃御領分の中に住んで百姓をしております者です、六郎左衛門殿が御遁世なされてからは、当所は荒れて、宮仕えをする者が一人もなくなってしまいましたから、わたくしなぞは数へも入らぬ詰らぬ身分ではありますけれども、御台や御公達のおんありさまを拝みますにつけ、あまりおいたわしゅう存じますので、自分の仕事を打ち捨てゝ、此の五六年のあいだ御奉公をいたしております、六郎左衛門殿の御遁世の折、三つになっていらしった姫君や幼い