Classici giapponesi con furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate
若君を振り捨てゝお出ましになったので、二人のお子を、母御がとかく苦労をなすってお育てになっていらっしゃいましたが、此の上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)さまもあかぬ別れの思いをなすって、そのおん歎きが積ったせいでもありましょうか、とう/\病人におなりになり、去年の春ごろからおわずらいになって此の程じゅうは食事を絶やしていらしったのが、あえなく御他界なされてから今日で三日になるのです、それにつけても御公達のおん悲しみはどれほどでしょうか、はたで見ておりますわたくしでさえ眼もくれ心も消えるばかりに思われます、あれ、あすこを御覧なさいまし、あれに見えるあの松の下にお埋め申してあるのですが、おさない方々は毎日お二人して泣く/\荼毘所へお参りになります、きょうもお供をいたしましょうと申しましたら、いや、きょうは供をしてくれずともよいと仰っしゃいましたので、こうして人なみに田を打っておりますものゝ、これとてもわたくしの身のためではありませぬ、御公達のおん行末を考えましたら、おいたわしくてなりませんので、あの方々のお世過ぎのために田を打っております、そんな訳で此の尉の事をお打ちお打ちとお呼びになって、お打ちでなければ夜も日も明けぬ