Classici giapponesi con furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate
のです。それと申すのは、何でもその御寺は聖徳太子の御建立で元弘建武の動乱の折に所領も何も失ってしまい、お堂もすたれていましたのを、今度楠の世になりまして所領を元の通りに返し、破れたお堂を修理した上に、京都から妙法上人に来ていたゞいて供養をすることになりましたので、その噂を聞き伝えて諸所方々から集って来る貴賤の人が袖をつらね、道俗男女が市をなすばかり。御寺の境内は申す迄もなく、近所の木の下かやの下までもおびたゞしい人数が充ちあふれて、輿、ちりとり、鞍を置いた馬などが幾千萬と云う数を知らず、凡そ其の日の群衆と云ったら、此のあたりの三箇国の人々が寄って来たのだと申すことでした。そう云う混雑の折柄ですから容易に子供たちは中へ這入れそうにもありませんので、どうするだろうと見ておりますと、お頼み申します、これは上人にお目にかゝりに参った者ですと、声をかけながら人ごみの間を押し分けて進んで行くのですが、諸神諸佛も憐れみを垂れて下さるのか、不思議なことに、その子供たちの通るところは自然と人波が左右に分れて道を開いて行くのです。それからなおも見ていましたら、二三人ばかり人を隔てた