Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はなのきむらとぬすびとたち
花のき村と盗人たち
Leggi 花のき村と盗人たち (はなのきむらとぬすびとたち) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9710 caratteri · 20 schermate
たいてい牛の仔というものは、そこらをぴょんぴょんはねまわって、持っているのがやっかいなものですが、この牛の仔はまたたいそうおとなしく、ぬれたうるんだ大きな眼をしばたたきながら、かしらのそばに無心に立っているのでした。
「くッくッくッ。」
とかしらは、笑いが腹の中からこみあげてくるのが、とまりませんでした。
「これで弟子たちに自慢ができるて。きさまたちが馬鹿づらさげて、村の中をあるいているあいだに、わしはもう牛の仔をいっぴき盗んだ、といって。」
そしてまた、くッくッくッと笑いました。あんまり笑ったので、こんどは涙が出て来ました。
「ああ、おかしい。あんまり笑ったんで涙が出て来やがった。」
ところが、その涙が、流れて流れてとまらないのでありました。
「いや、はや、これはどうしたことだい、わしが涙を流すなんて、これじゃ、まるで泣いてるのと同じじゃないか。」
そうです。ほんとうに、盗人のかしらは泣いていたのであります。――かしらは嬉しかったのです。じぶんは今まで、人から冷たい眼でばかり見られて来ました。じぶんが通ると、人々はそら変なやつが来たといわんばかりに、窓をしめたり、すだれをおろしたりしました。