Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなのきむらとぬすびとたち

花のき村と盗人たち

新美 南吉

Leggi 花のき村と盗人たち (はなのきむらとぬすびとたち) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9710 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

三

」

そういってかしらは、仔牛のぶちの背中をなでていました。まだ眼から涙が出ていました。

そこへ四人の弟子がいっしょに帰って来ました。

三

「かしら、ただいま戻りました。おや、この仔牛はどうしたのですか。ははア、やっぱりかしらはただの盗人じゃない。おれたちが村を探りにいっていたあいだに、もうひと仕事しちゃったのだね。」

釜右ヱ門が仔牛を見ていいました。かしらは涙にぬれた顔を見られまいとして横をむいたまま、

「うむ、そういってきさまたちに自慢しようと思っていたんだが、じつはそうじゃねえのだ。これにはわけがあるのだ。」

といいました。

「おや、かしら、涙……じゃございませんか。」

と海老之丞が声を落としてききました。

「この、涙てものは、出はじめると出るもんだな。」

といって、かしらは袖で眼をこすりました。

「かしら、喜んで下せえ、こんどこそは、おれたち四人、しっかり盗人根性になって探って参りました。釜右ヱ門は金の茶釜のある家を五軒見とどけますし、海老之丞は、五つの土蔵の錠をよくしらべて、曲がった釘一本であけられることをたしかめますし、大工のあッしは、この鋸で難なく切れる家尻を五つ見て来ましたし、角兵ヱは角兵ヱでまた、足駄ばきで跳び越えられる塀を五つ見て来ました。