Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はなのきむらとぬすびとたち

花のき村と盗人たち

新美 南吉

Leggi 花のき村と盗人たち (はなのきむらとぬすびとたち) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9710 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

久しぶりでかしらは美しい心になりました。これはちょうど、垢まみれの汚い着物を、きゅうに晴れ着にきせかえられたように、奇妙なぐあいでありました。

――かしらの眼から涙が流れてとまらないのはそういうわけなのでした。

やがて夕方になりました。松蝉は鳴きやみました。村からは白い夕もやがひっそりと流れだして、野の上にひろがっていきました。子供たちは遠くへいき、「もういいかい。」「まあだだよ。」という声が、ほかのもの音とまじりあって、ききわけにくくなりました。

かしらは、もうあの子供が帰って来るじぶんだと思って待っていました。あの子供が来たら、「おいしょ。」と、盗人と思われぬよう、こころよく仔牛をかえしてやろう、と考えていました。

だが、子供たちの声は、村の中へ消えていってしまいました。草鞋の子供は帰って来ませんでした。村の上にかかっていた月が、かがみ職人の磨いたばかりの鏡のように、ひかりはじめました。あちらの森でふくろうが、二声ずつくぎって鳴きはじめました。

仔牛はお腹がすいて来たのか、からだをかしらにすりよせました。

「だって、しようがねえよ。わしからは乳は出ねえよ。