Classici giapponesi con furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Leggi 花も刀も (はなもかたなも) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.364 caratteri · 178 schermate
「道場の面目のためです」
孝之助はそう云いながら、自分の竹刀を取り、道場の中央へ出て来た。
このあいだに、門人たちはめいめいの膳や徳利を持って、不安そうに隅のほうへ片寄った。十左と平八とは、なおその試合を止めようとしたが、二人はもう左右に別れ、相い正眼に構えて動かなかった。
幹太郎は、二度、三度と、大喝した。
「やるなら尋常にやれ」と、十左が叫んだ。
「乱暴はならんぞ」
幹太郎はまた一喝した。
二人とも道具を着けていない。そして、両者とも逆上していた。二人が逆上していることは、誰の眼にもわかった。
孝之助が絶叫し、床板を踏みならして打ちこんだ。
真向から左の胴へ切返すもので、彼のもっとも得意な手であった。だが幹太郎はその逆をいった。孝之助の竹刀が胴へ切返すより一瞬早く、幹太郎の竹刀の尖端が相手の額を突き、ついでその鍔を返し、火の出るような体当りをくれながら、相手の顎を突きあげた。
孝之助は仰向けに顛倒した。
殆んど丸太を倒すようで、床板を打つ後頭骨の音が、みんなの耳にぞっとするほどはっきりと聞えた。
孝之助の口から血がながれだし、起き直ろうともがいたが、そのまま動かなくなった。