Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなもかたなも

花も刀も

山本 周五郎

Leggi 花も刀も (はなもかたなも) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.364 caratteri · 178 schermate

Aozora Bunko

という期待さえあった。

――これでいい、このほうがいいんだ。

幹太郎は自分で自分にそう云いふくめた。しっかりしろ平手、みれんだぞ、と心のなかで自分にどなった。

差配がなにも云わないところをみると、お豊は伝言ものこさず、自分のいどころも云わなかったらしい。幹太郎は鍵をあけて、家へはいり、荷物を投げだしたまま、灯をつける気にもなれず、ややながいこと、六畳の暗がりでぼんやりと坐っていた。

頼母から渡された包には、金十五両と、頼母の手紙が入っていた。

――もし、金杉の家から移転するようなら、おちついた先を白川久三郎まで知らせてもらいたい。かくべつ理由はないが。

手紙はそういう簡単なもので、なお「不自由なことがあったら遠慮なく云って来るように」と書き添えてあった。十五両という金額も思いがけなかった。故郷の家へその半分を送っても、倹約をすれば一年は生活することができる。そのうえ「困ったら相談に来い」と繰り返していう頼母のしんせつな気持が、彼には胸にしみて嬉しかった。

「柴田さんは、おれを認めているんだな」と、彼は声に出して云った、「人間は自分ひとりということはないんだ、柴田さんは解任の事情も知っているし、おれの話も信じてくれた、おれには秋田平八がいるし柴田さんという人もいる、千葉先生もおれの腕を認めてくれたというじゃ