Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Leggi 花も刀も (はなもかたなも) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.364 caratteri · 178 schermate
そこは本所四つ目の路地裏であった。棟が波を打ち、柱の傾いた長屋が並び、それがほとんど空家らしい。隙間だらけで、乾割れた雨戸が閉ったままだし、夕餉どきだというのに炊ぎの煙も見えず、人の声もしなかった。
「どうしてみんな空家なんだ」と、幹太郎は呟き、そして、ふところ手をしたままで、がたがたと震えた。
「こんな裏長屋が、こんなに揃って空家だなんて、おかしなことがあるもんだ」
彼は顔を歪めた。
空腹と、寒さと疲れとで、頭が痺れ、体が宙に浮いているような感じだった。
「ひどいことになったな」と、彼は呟いた、「なんとかしなければならない」
本当になんとかしなければならない。どうしよう。もう待ったなしだ。ぎりぎり結着だぞ、と彼は思った。
淵辺の道場を出てから二十余日、天保四年の正月も、中旬をもう過ぎていた。
僅か二十余日でどん詰りまで来た。もう五日も食事らしい食事をしないし、一昨夜からは木賃宿に泊る銭もなく、空家へ一と晩、ゆうべは石原町の、なんの神社とも知れない、小さな社殿の中にもぐりこんで、夜を明かした。
「旅籠町へゆこうか」
彼は足もとへ眼をおとした。
旅籠町の『山源』