Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate

Aozora Bunko

「そう云うところが君は実にやりっ放しで、変な人だな。そう云う点を曖昧にしておくから別れるのにも思い切りが悪くなるんだ」

「けど、………最初に調べりゃあよかったんだが、今になっちゃあ仕方がないな」

要はまるで他人事のように云い捨てながら、再びものうげにソファへ倒れた。

いったい阿曽と美佐子とのあいだにどれほどの情熱が燃えているものか、要には想像が付かないのである。それを想像することはいくら冷やかな夫であっても面白かろう筈はないので、ときどき好奇心の動くことはありながら、彼は努めてその臆測から眼を閉じていた。そもそもの起りはざっと二年も前のことである。或る日大阪から帰って来ると、ヴェランダで妻と相対している見馴れない一人の客があって、「阿曽さんという方」と美佐子が簡単に引き合わせた。と云うのは、夫は夫、妻は妻で、めいめい交際の範囲を作って自由な行動を取ることがいつしか習わしになっていたので、別にそれ以上の説明は必要でなかったからだけれども、その頃彼女は退屈しのぎに神戸へ仏蘭西語の稽古に行っていて、そこで友達になったらしい話しぶりであった。要には当時ただそれだけが分っただけで、その後妻の身だしなみが前よりは念入りになり、鏡の前に日々新しい化粧道具がふえて行くようになったことなどは、全く見落していたくらい無頓着な夫だっ