Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
戦争で国を追われて、露西亜にも居、満洲にも居、朝鮮にも居、そのあいだにいろいろの言葉を覚えたとかで、外の二人の露西亜生れの女とは自由に露西亜語で話した。「巴里へ行けば私は一と月で仏蘭西人と同じようにしゃべってみせる」と自慢をするだけのものはあって、語学は彼女の恵まれた才能であるらしく、三人のうちでこの女のみがかみさんのブレント夫人や、ヤンキーの酔っ払いなどを向うに廻して、英語でテキパキ渡り合うことが出来たのである。けれど彼女が日本語をまでそれほど自在にあやつろうとは! バラライカやギタルラを伴奏しながらスラヴの唄をうたう口から、安来節や鴨緑江節を寄席芸人に劣らぬ節廻しで聞かせるほど、それほど悪達者であろうとは! いつも英語でばかり話していた要が、それを知って驚かされたのはつい最近のことなのである。どうせこう云う種類の女は自分の過去を正直に云うものでないことは承知していたが、そののち彼は彼女がほんとうは朝鮮人と露西亜人との混血児であることをボーイから聞いた。彼女の母は今でも京城に住んでいて、ときどき手紙を寄越すと云う。なるほどそれなら鴨緑江節の上手なことも、語学の習得の早いことも頷かれる。