Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
―――今日だって君は気がつくまいが、弘の態度は余程いつもと違ってるんだよ」
「どう云う風に?」
「ふだんはあんな風に人の前で大阪弁を使ってみせたり、揚げ足を取ったりするようなことはめったにないんだ。いくら君と親しいからって、あんなにはしゃぐ筈はないんだ」
「僕も少うし元気過ぎるとは思ったんだが、………じゃ、わざとはしゃいでいたのかね」
「そうだよ、きっと」
「どうしてだろう? 無理にもはしゃいで見せなければ僕に悪いと云う風に思ったのかしら?」
「それも多少はあるかも知れない、が、弘は実は君を恐れているんだよ。君が好きではあるんだが、同時にいくらか恐ろしくもあるんだ」
「なぜ?」
「子供は僕等の夫婦関係が何処まで切迫しているのかは知るよしもないが、君が来たと云うことは何かしら形勢に変化が起る前兆だと思っているんだ。君が来なければ容易にわれわれはカタが付かない、そこへ君がカタをつけに来たと、そう思っているんだよ」
「成るほど、じゃあ僕が来るのはあまり有り難くない訳なんだな」
「そりゃあいろいろ土産物を貰うのは嬉しいし、君に会いたいには会いたいんだ。つまり君は好きなんだが、君の来ると云うことが恐ろしいんだよ。