Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
と、彼はそのあとで要に語った。今度の事件で要が彼をたよりにするのは、一つには彼にそう云う経験があり、その時の彼のやり方を傍で見ていて羨ましく思ったからではあるが、―――成る程、高夏のように悲劇に直面することが出来、泣きたい時には思うさま泣ける性質だったら、定めし後がさっぱりするだろう、あれでなければ離別は出来ないとつくづく思ったからではあるが、しかし要にその真似はやれないのである。東京人の見えや外聞を気にする癖がそう云うところへまで附いて廻って、義太夫語りの態度を醜いと感ずる彼は、顔をゆがめて泣きわめく世話場の中へ自分を置くことに同じ醜さを感ずるのである。彼は何処までも涙で顔をよごさずに、きれいに事を運びたかった。妻の心緒と自分の心緒とが一つの脳髄の作用のように理解し合って別れたかった。それが必ずしも不可能なことでなく思えるのは、彼の場合は高夏の場合と違うからである。彼は去って行く妻に対して何の悪い感情も持たない。二人は互に性的には愛し合うことが出来ないけれども、その他の点では、趣味も、思想も、合わないところはないのである。夫には妻が「女」でなく、妻には夫が「男」