Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
「尤も子供と云うものもあるからなんだが、子供にしたって父と母とが別々に住むようになるだけで、母を母と呼べなくなると云うんじゃないんだから、………」
「そりゃあね、幾らも世間にはあることなんで、外交官や地方長官なら夫だけが外国へ行っていたり、子供を東京の親戚へ預けたりするのがざらにあるんだし、そうでなくったって中学校もないような田舎の子供はみんな親の傍を離れてるんだから、それを考えたら何でもない、………と、そう思うことは思うんだけれど、………」
「つまり君のはただ君自身の心持が悲しいんだよ。事実は君が感じるほどに悲しくはないんだ」
「だって、悲しみというものは結局みんなそうなんじゃないか、どうせ主観的なものなんだから。………僕等のはお互に憎み合うことの出来ないのがいけないんだね。憎み合えたら楽なんだろうが、両方が両方を尤もだと思ってるんだから始末に悪い」
「なまじ君に相談しないで、二人が駈け落ちしちまうと一番面倒がなかったんだな」
「まだこうならない前のことだが、いっそそうしようかって阿曽が云ったことがあるそうだよ。しかし美佐子は、あたしにそんな真似はとても出来ない、何か麻酔剤でも嗅がしてもらって寝ているあいだに担ぎ出してでもくれなかったら駄目だと云って笑ったそうだが、………」