Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
―――昨日何かお話しになったの?」
「うん」
「どう云うんでしょう、要の方は?」
「例によって一向要領を得ないんだ。………」
二人は花やかな帯地の裂が取り散らかされたスーツケースを中に挾んで、寝台の両端に腰をかけた。
「あなたの方はどう云うんです?」
「どうって、そりゃあ、………そう一と口には云えやしないわ」
「だから一と口でなくてもいい、二た口にでも三口にでもして云ってみたら」
「高夏さんは、今日はお暇なの?」
「今日は一日空けてあるんです、その積りで昨日の午後に大阪の用を済まして来たんだから」
「要は今日は?」
「午から弘君を連れて宝塚へでも出かけようかって云ってましたぜ」
「弘には宿題をやらせましょうよ。そうして東京へ連れて行って下さらない?」
「連れて行くのは構わないが、さっき素振りがおかしかったな、泣いていたんじゃなかったのかな」
「そうよ、きっと、あれはああ云う風なんですから。―――あたし、どう云う気持になるものか、二三日の間でもいいから一遍子供と云うものを自分の傍から放してみたいの」
「それもいいかも知れないな、その間に斯波君とも十分話し合ってみるこッたな」
「要の考は高夏さんから聞かして下さる方がいいわ。